专利摘要:
本発明は、式Iのピペリジンスルホンアミド誘導体[式中、Ar1、Ar2、R1、R2、m、及びnは、明細書及び特許請求の範囲で定義された通りである]又はその薬学的に適切な酸付加塩に関する。式Iの化合物は、オレキシン受容体アンタゴニストであり、そして関連化合物は、睡眠時無呼吸症、ナルコレプシー、不眠症、睡眠時異常行動、時差ぼけ症候群、概日リズム障害、又は神経性障害に関連する睡眠障害の処置に有用である。
公开号:JP2011511822A
申请号:JP2010546286
申请日:2009-02-02
公开日:2011-04-14
发明作者:クヌスト,ヘンナー;ネッテコフェン,マティアス;ピナール,エマニュエル;ロジャース−エバンス,マーク;ロッシュ,オリヴィエ
申请人:エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲーF. Hoffmann−La Roche Aktiengesellschaft;
IPC主号:A61K31-454
专利说明:

[0001] 本発明は、式I




[式中、
Ar1及びAr2は、各々独立に、非置換若しくは置換アリール又はヘテロアリールであり;
R1及びR2は、各々独立に、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、ハロゲンにより置換されている低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲンにより置換されている低級アルコキシ、又はシアノであり;
mは、0、1、2、又は3であり;
nは、1又は2である]
の化合物、又はその薬学的に適切な酸付加塩に関する。]
[0002] 式Iの化合物が、オレキシン受容体アンタゴニストであり、そして、その関連化合物が、オレキシン経路が関与する、睡眠時無呼吸症、ナルコレプシー、不眠症、睡眠時異常行動、時差ぼけ症候群、概日リズム障害、下肢静止不能症候群を含む睡眠障害、不安、鬱病、躁鬱病、強迫性障害、感情神経症、抑鬱神経症、不安神経症、気分障害、譫妄、パニック発作障害、外傷後ストレス障害、性機能不全、統合失調症、精神病、認知障害、アルツハイマー病及びパーキンソン病、認知症、精神遅滞、ハンチントン病及びトゥレット症候群などのジスキネジア、中毒、薬物乱用に関連する渇望、発作性障害、癲癇を含む精神、神経性及び神経変性障害、肥満、糖尿病などの代謝疾患、食欲減退及び過食症を含む摂食障害、喘息、片頭痛、頭痛、疼痛、神経因性疼痛、精神、神経性及び神経変性障害に関連する睡眠障害、神経因性疼痛、痛覚過敏症、灼熱痛、及び異痛症などの疼痛に対する亢進した又は過剰な感受性、急性疼痛、熱傷痛、背痛、複合性局所疼痛症候群I及びII、関節痛、脳卒中後疼痛、術後疼痛、神経痛、HIV感染に関連する疼痛、化学療法後疼痛、過敏性腸症候群、抗精神病薬によって誘発される錐体外路症状ならびに全身オレキシン系機能不全に関連する他の疾患のような疾患の処置に有用であることが見出された。]
[0003] オレキシン類(ヒポクレチン類)、視床下部神経ペプチドのファミリーは、摂食行動、エネルギー恒常性、及び睡眠−覚醒周期の調整に重要な役割を果たす(Siegel, Annu. Rev. Psychol., 55, 125-148, 2004)。オレキシン−A/ヒポクレチン1(OX−A、33アミノ酸)及びオレキシン−B/ヒポクレチン2(OX−B、28アミノ酸)は、131アミノ酸のプレプロオレキシンのタンパク分解の過程による同一の前躯体由来である(de Lecea et al., Proc Natl Acad Sci U S A, 95, 322-327, 1998; Sakurai T. et al., Cell, 92, 573-585, 1998)。オレキシンレベルは、活動周期間に、最も高い日周変動を示す。オレキシン−1受容体(OX1R)及びオレキシン−2受容体(OX2R)と名付けられた2つの受容体サブタイプが、同定された。結合及び機能アッセイによる両レセプターの特徴付けによって、OX2Rが、OX−A及び−Bの両方に対する非選択的受容体である一方、OX1Rが、OX−Aに対して選択的であることが示され、逆にOX−Aが、非選択的神経ペプチドであり、OX1R及びOX2Rへ同様の親和性で結合し、一方、OX−Bが、OX2Rに対して選択的であり、高い親和性を有することが示された(Sakurai T. et al., Cell, 92, 573-585, 1998)。両受容体は、イノシトールリン脂質(PI)の加水分解及び細胞内Ca2+レベルの上昇をもたらす、Gq/11を介してホスホリパーゼCの活性化に共役する、Gタンパク共役型受容体のクラスAファミリーに属する。しかしながら、OX2Rは、Gi/oを介してcAMP経路にもまた共役しうることが示された(Sakurai, Regulatory Peptides, 126, 3-10, 2005)。成体ラット組織のノーザンブロット分析は、プレプロオレキシンmRNAが、専ら脳内に(精巣中の少量を除いて)検出されること、及びOX1R及びOX2Rの転写が、専ら脳内で検出されることを示した(Sakurai T. et al., Cell, 92, 573-585, 1998)。ヒトの多組織ノーザンブロットを用いて、同様の結果が得られた。in situハイブリダイゼーション及び免疫組織化学を用いたラット脳における分布研究は、オレキシンニューロンが、視床下部外側野と全CNSへのそれらの突起にのみに見出されることを示した(Peyron et al., J Neurosci, 18, 9996-10015, 1998; Nambu et al., Brain Res., 827, 243-60, 1999)。更に、両OX1及びOX2受容体は、睡眠/覚醒の調整に重要な脳領域に存在する。]
[0004] 障害のあるオレキシン系は、以下の証拠の並びに基づき、ナルコレプシーの原因であることが、示唆されている:(a)プレプロ−オレキシンノックアウトマウスは、ナルコレプシーに非常に類似する特性を有する表現型を有する(Chemelli et al., Cell, 98, 437-451, 1999)、(b)OX2Rをコードする遺伝子が破壊されている突然変異(canarc−1)は、イヌのナルコレプシーに関与することが見出されている(Lin et al., Cell, 98, 365-376, 1999)、(c)ヒトナルコレプシー患者において、OX−A及びOX−Bの欠損が観察された(Nishino et al., Lancet, 355, 39-40, 2000; Peyron et al., Nature Medicine, 6, 991-997, 2000)、(d)作用基序が未知である抗ナルコレプシー薬であるモダフィニルが、オレキシンニューロンを活性化することが示された(Mignot et al., Sleep, 11, 1012-1020, 1997; Chemelli et al., Cell, 98, 437-451, 1999)。OX−Aの脳室内(icv)投与は、用量依存的にラットにおいて覚醒を増加させ、そして総REM睡眠も84%減少させる(Piper et al., Eur. J. Neuroscience, 12, 726-730, 2000)。まとめると、これらの観察は、睡眠/覚醒周期の調整におけるオレキシン系の決定的な役割と一致する。]
[0005] オレキシンは、視床下部中、コルチコトロピン放出因子(CRF)系との相互作用を介して、ストレス及び不安症において重要な役割を果たす(Sakamoto et al., Regul Pept., 118, 183-91, 2004)。OX−Aのicv注射は、毛づくろい(ストレス応答)を誘発し、これは、CRFアンタゴニストにより部分的に遮断される(Ida et al., Biochem. Biophys. Res. Comm., 270, 318-323, 2000)。OX2Rは、副腎髄質中に高度に発現している一方、OX1Rは、副腎皮質中で高い。OX−A及びOX−Bの両方は、血漿中のコルチコステロン放出を刺激し、そして、視床下部の室傍核(PVN)中のc−Fosを誘導する(Kuru et al., Neuroreport, 11, 1977-1980, 2000)。更に、CRFニューロンに突きでたオレキシンニューロンは、主にOX2Rを発現する(Winsky-Sommerer et al., J. Neuroscience, 24, 11439-11448, 2004)。したがって、OX2Rの刺激は、視床下部・下垂体・副腎(HPA)系を活性化する。興味深いことに、これに関連して、血漿中ACTHのオレキシンA−誘導される増加が、OX−2Rに対する選択的アゴニスト(N−{(1S)−1−(6,7−ジメトキシ−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリニル)カルボニル}−2,2−ジメチルプロピル)−N−{4−ピリジニルメチル}アミンにより減弱されることが報告されている(Chang et al., Neurosci Res., 21 Dec 2006)。最近の前臨床報告(Suzuki et al., Brain Research, 1044, 116-121, 2005)は、OX−Aの不安惹起効果を示唆している。OX−Aのicv注射は、マウスの不安様行動を引き起こした。効果は、比較のために同時に試験されたコルチコトロピン放出因子(CRF)の効果と類似であった。また、近年の研究は、ヒト脂肪組織における機能的OX1及びOX2受容体の存在、並びに脂肪組織代謝及び脂肪生成におけるその役割を実証した(Digby et al., J. Endocrinol., 191, 129-36, 2006)。]
[0006] 要約すると、覚醒状態、睡眠/覚醒、食欲調節におけるオレキシン系の果たす非常に多様な機能、並びに不安及びストレス応答におけるそれらの役割等を考慮すると、オレキシン系を標的とする薬(化合物)は、睡眠時無呼吸症、ナルコレプシー、不眠症、睡眠時異常行動、時差ぼけ症候群、概日リズム障害、下肢静止不能症候群を含む睡眠障害、不安、鬱病、躁鬱病、強迫性障害、感情神経症、抑鬱神経症、不安神経症、気分障害、譫妄、パニック発作障害、外傷後ストレス障害、性機能不全、統合失調症、精神病、認知障害、アルツハイマー病及びパーキンソン病、認知症、精神遅滞、ハンチントン病及びトゥレット症候群などのジスキネジア、中毒、薬物乱用に関連する渇望、発作性障害、癲癇を含む精神、神経性及び神経変性障害、肥満、糖尿病などの代謝疾患、食欲減退及び過食症を含む摂食障害、喘息、片頭痛、頭痛、疼痛、神経因性疼痛、精神、神経性及び神経変性障害に関連する睡眠障害、神経因性疼痛、痛覚過敏症、灼熱痛、及び異痛症などの疼痛に対する亢進した又は過剰な感受性、急性疼痛、熱傷痛、背痛、複合性局所疼痛症候群I及びII、関節痛、脳卒中後疼痛、術後疼痛、神経痛、HIV感染に関連する疼痛、化学療法後疼痛、過敏性腸症候群、抗精神病薬によって誘発される錐体外路症状ならびに全身オレキシン系機能不全に関連する他の疾患のような疾患の処置に、有利な治療効果を有することが、期待される。]
[0007] 多くの文献、例えば、以下の文献が、オレキシン経路について現在の知識を記載している:
- Expert Opin. Ther. Patents (2006), 16(5), 631-646
- Current Opinion in Drug Discovery & Development, 2006, 9(5), 551-559
- J. Neurosci (2000), 20(20), 7760 - 7765
- Neurosci Lett, (2003), 341(3), 256-258]
[0008] 本明細書中で用いられる一般用語の以下の定義は、問題となる用語が、単独で又は組み合わせで出てくるかどうかに係らず、適用される。]
[0009] 明細書中で用いられるように、用語「低級アルキル」は、1−4個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖アルキル基であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル等を示す。用語「アルキル」は、1−7個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖アルキル基である。]
[0010] 用語「低級アルコキシ」は、アルキル残基が、上記に定義した通りであり、そして酸素原子を介して結合する基を示す。]
[0011] 用語「ハロゲン」は、塩素、ヨウ素、フッ素及び臭素を示す。]
[0012] 用語「アリール」は、少なくとも一つの環が芳香族性である、一つ以上の縮合環からなる一価の環状芳香族炭化水素基を意味する。アリール基の例は、フェニル、ナフチル、5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレニル、ビフェニル、インダニル、アントラキノリル等を含むが、限定するものではない。]
[0013] 「ヘテロアリール」は、一つ以上の環を有し、ここで少なくとも一つの環が芳香族性であり、環中に1個、2個、又は3個のヘテロ原子(窒素、酸素、又は硫黄から選択される)を伴う、炭素環式基を意味する。ヘテロアリール基の例は、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チオフェニル、フラニル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾピラニル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、クロマニル、ナフチリジニル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1.4]ジオキセピニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1.4]オキサジニル、インダニル、ベンゾ[1.3]ジオキソール、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1.4]ジオキシニル等を含むが、限定するものではない。]
[0014] 明細書中で用いられるように、用語「ハロゲンにより置換されている低級アルキル」は、少なくとも1つの水素原子が、ハロゲン原子により置換されている上記に定義したアルキル基、例えばCF3、CHF2、CH2F、CH2CF3、CH2CH2CF3、CH2CF2CF3等を示す。]
[0015] 用語「ハロゲンにより置換されている低級アルコキシ」は、上記に定義したハロゲンにより置換されている低級アルキルが、酸素原子を介して結合している基を示す。]
[0016] 用語「薬学的に許容される酸付加塩」は、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のような、無機及び有機酸との塩を含む。]
[0017] 式Iの好ましい化合物は、nが、1である化合物である。]
[0018] この群からの好ましい化合物は、例えば、以下の化合物:
[1−(2−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−3−イル]−[2−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−メタノン、
[1−(2−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−3−イル]−(2−フェニル−ピロリジン−1−イル)−メタノン、
[1−(3−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−3−イル]−(2−フェニル−ピロリジン−1−イル)−メタノン、
[1−(2−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−3−イル]−(2−フェニル−ピロリジン−1−イル)−メタノン、
[1−(5−クロロ−2−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−3−イル]−(2−フェニル−ピロリジン−1−イル)−メタノン、又は
[1−(2−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−3−イル]−[2−(2−クロロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−メタノン
である。]
[0019] 式Iの好ましい化合物は、更に、nが、2である化合物である。]
[0020] この群からの好ましい化合物は、例えば、以下の化合物:
[1−(2−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−3−イル]−(2−フェニル−ピペリジン−1−イル)−メタノン、又は
[1−(5−クロロ−2−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−3−イル]−(2−フェニル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
である。]
[0021] 本願の式Iの化合物及びそれらの薬学的に許容される塩は、当該技術において公知の方法によって、例えば、以下に記載の方法により調製され、当該方法は、
a)式III:




の化合物を、対応する式VIIの塩化スルホニル:




と反応させて、式I:




[式中、Ar1、Ar2、R1、R2、m、及びnは、上記に定義した通りである]の化合物を得るか、又は
b)式V:




の化合物を、対応する式VI:




の化合物と反応させて、式I:




[式中、Ar1、Ar2、R1、R2、m、及びnは、上記に定義した通りである]の化合物を得、そして
所望であれば、得られた化合物を薬学的に許容される酸付加塩に変換することを含む。]
[0022] 本発明の式Iの化合物の調製は、連続的又は収束的な合成経路で実施される。本発明の化合物の合成は、以下のスキームに示される。反応及び生じた目的物の精製を実施するために必要な技術は、当業者に公知である。工程の以下の記載に用いられる置換基及び指数は、特に指示のない場合は、有意である。]
[0023] より詳細には、式Iの化合物は、以下に記載の方法、実施例に記載の方法、又は同等の方法によって、製造することができる。個々の反応工程の適切な反応条件は、当業者に公知である。反応手順は、スキーム1に示される1つに限定されない、しかしながら、出発原料及びそれらの相対的な反応性に依存して、反応の手順は、自由に変更される。出発原料は、市販されているか、或いは以下に記載される方法と同等の方法により、明細書若しくは実施例において引用する文献に記載の方法により、又は当該技術において公知の方法により、調製される。]
[0024] ]
[0025] 1−(tert−ブトキシカルボニル)−3−ピペリジンカルボン酸IIは、市販されており、そして2−フェニルピロリジン又はピペリジンVI(市販されているか、又はBasha, F. Z.; Debernardis, J. F.; Tetrahedron Lett 1984, 25, 527又はWalter, G.; Chem Ber 1951, 84, 304.のような文献に記載されている方法により得ることができる)とカップリングさせる。一般に、カルボン酸とアミンのカップリングは、文献に広く記載されており、そしてその方法は、当業者に公知である(そのような反応に影響をあたえる、文献に記載の反応条件として、例えば:Comprehensive Organic Transformations: A Guide to Functional Group Preparations, 2nd Edition, Richard C. Larock. John Wiley & Sons, New York, NY. 1999を参照されたい)。カップリング試薬の使用を適用することにより、酸を、アミンとのカップリングによって、対応するアミドに好都合に変換することができる。例えば、N,N’−カルボニルジイミダゾール(CDI)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム−3−オキシドへキサフルオロホスファート(HATU)、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール(HOBT)、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)等のカップリング試薬を、そのような変換に影響を与えるために、同等に良く用いることができる。我々は、溶媒中及び塩基の存在下で反応を実施することが、好都合であることを見出した。用いる溶媒の性質には、特に制限はなく、関与する反応又は試薬に悪影響を有さず、そして少なくともある程度、試薬を溶解することができれば良い。適切な溶媒の例は、DMF、ジクロロメタン(DCM)、ジオキサン、THF等を含む。この段階で用いられる塩基の性質には、特に制限はなく、そしてこのタイプの反応に一般的に用いられる任意の塩基を、ここで同等に良く用いることができる。そのような塩基の例は、トリエチルアミン及びジイソプロピルエチルアミン等を含む。反応は、広い範囲の温度で起こることができ、そして的確な反応温度は、発明に重要ではない。我々は、周囲温度から還流まで加熱することで、反応を実施することが好都合であることを見出した。反応に必要な時間は、多くの要因、とりわけ反応温度及び試薬の性質に依存して、広く変えてもよい。しかしながら、0.5時間から数日までの期間が、保護アミドIIIを得るために通常十分である。]
[0026] ]
[0027] Boc−保護基の除去は、文献に広く記載されている。そのような変換に影響を与える例として、例えば:Comprehensive Organic Transformations: A Guide to Functional Group Preparations, 2nd Edition, Richard C. Larock. John Wiley & Sons, New York, NY. 1999を参照されたい。しかしながら、我々は、保護アミドIIIを、溶媒中の酸と反応させることが、好都合であることを見出した。用いる溶媒の性質には、特に制限はなく、関与する反応又は試薬に悪影響を有さず、そして少なくともある程度、試薬を溶解することができれば良い。適切な溶媒の例は、DMF、ジクロロメタン(DCM)、ジオキサン、THF等を含む。この段階で用いられる酸の性質には、特に制限はなく、そしてこのタイプの反応に一般的に用いられる任意の酸を、ここで同等に良く用いることができる。そのような酸の例は、TFA及びHCl等を含む。反応は、広い範囲の温度で起こることができ、そして的確な反応温度は、発明に重要ではない。我々は、周囲温度から還流まで加熱することで、反応を実施することが好都合であることを見出した。反応に必要な時間は、多くの要因、とりわけ反応温度及び試薬の性質に依存して、広く変えてもよい。しかしながら、0.5時間から数日までの期間は、塩基及び溶媒の存在下で、塩化スルホニルVII(市販されているか、又は文献に記載の方法により得られる)とカップリングさせてピペリジンスルホンアミドIを与える、遊離アミンを得るために通常十分である。用いる溶媒の性質には、特に制限はなく、関与する反応又は試薬に悪影響を有さず、そして少なくともある程度、試薬を溶解することができれば良い。適切な溶媒の例は、DMF、ジクロロメタン(DCM)、ジオキサン、THF等を含む。この段階で用いられる塩基の性質には、特に制限はなく、そしてこのタイプの反応に一般的に用いられる任意の塩基を、ここで同等に良く用いることができる。そのような塩基の例は、トリエチルアミン及びジイソプロピルエチルアミン等を含む。反応は、広い範囲の温度で起こることができ、そして的確な反応温度は、発明に重要ではない。我々は、周囲温度から還流まで加熱することで、反応を実施することが好都合であることを見出した。反応に必要な時間は、多くの要因、とりわけ反応温度及び試薬の性質に依存して、広く変えてもよい。しかしながら、0.5時間から数日までの期間が、ピペリジンスルホンアミドIを得るために通常十分である。]
[0028] ]
[0029] ピペリジン−3−カルボン酸エチルエステルIVは、市販されており、塩基及び溶媒の存在下で、塩化スルホニルVII(市販されているか、又は文献に記載の方法により得られる)とカップリングさせて、ピペリジンスルホンアミドエステルVを得ることができる。用いる溶媒の性質には、特に制限はなく、関与する反応又は試薬に悪影響を有さず、そして少なくともある程度、試薬を溶解することができれば良い。適切な溶媒の例は、DMF、ジクロロメタン(DCM)、ジオキサン、THF等を含む。この段階で用いられる塩基の性質には、特に制限はなく、そしてこのタイプの反応に一般的に用いられる任意の塩基を、ここで同等に良く用いることができる。そのような塩基の例は、トリエチルアミン及びジイソプロピルエチルアミン等を含む。反応は、広い範囲の温度で起こることができ、そして的確な反応温度は、発明に重要ではない。我々は、周囲温度から還流まで加熱することで、反応を実施することが好都合であることを見出した。反応に必要な時間は、多くの要因、とりわけ反応温度及び試薬の性質に依存して、広く変えてもよい。しかしながら、0.5時間から数日までの期間が、ピペリジンスルホンアミドエステルVを得るために通常十分である。]
[0030] ]
[0031] ピペリジンスルホンアミドエステルVは、文献に記載の方法と同様にして、最終ピペリジンスルホンアミドIに、変換することができる。しかしながら、我々は、Vのエステル基が、水性塩基性条件下で開裂し、そしてVの遊離酸基が、カップリング条件下で対応するアミンVIにより変換される、2工程反応手順を用いることが好都合であることを見出した。用いる水性塩基の性質には、特に制限はなく、関与する反応又は試薬に悪影響を有さず、そして少なくともある程度、試薬を溶解することができれば良い。そのような水性塩基の適当な例は、NaOH及びLiOH等を含む。一般に用いられる任意の共溶媒を、用いることができる。そのような例は、メタノール、THF、及び水等を含む。一般に、カルボン酸とアミンのカップリングは、文献に広く記載されており、そしてその方法は、当業者に公知である(そのような反応に影響をあたえる、文献に記載の反応条件として、例えば:Comprehensive Organic Transformations: A Guide to Functional Group Preparations, 2nd Edition, Richard C. Larock. John Wiley & Sons, New York, NY. 1999を参照されたい)。カップリング試薬の使用を適用することにより、中間に生じる酸を、アミンVI(市販されているか、又は文献に記載の方法により得られる;適切に)とのカップリングによって、対応するアミドに好都合に変換することができる。例えば、N,N’−カルボニルジイミダゾール(CDI)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム−3−オキシドへキサフルオロホスファート(HATU)、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール(HOBT)、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)等のカップリング試薬を、そのような変換に影響を与えるために、同等に良く用いることができる。我々は、溶媒中及び塩基の存在下で反応を実施することが、好都合であることを見出した。用いる溶媒の性質には、特に制限はなく、関与する反応又は試薬に悪影響を有さず、そして少なくともある程度、試薬を溶解することができれば良い。適切な溶媒の例は、DMF、ジクロロメタン(DCM)、ジオキサン、THF等を含む。この段階で用いられる塩基の性質には、特に制限はなく、そしてこのタイプの反応に一般的に用いられる任意の塩基を、ここで同等に良く用いることができる。そのような塩基の例は、トリエチルアミン及びジイソプロピルエチルアミン等を含む。反応は、広い範囲の温度で起こることができ、そして的確な反応温度は、発明に重要ではない。我々は、周囲温度から還流まで加熱することで、反応を実施することが好都合であることを見出した。反応に必要な時間は、多くの要因、とりわけ反応温度及び試薬の性質に依存して、広く変えてもよい。しかしながら、0.5時間から数日までの期間が、ピペリジンスルホンアミドIを得るために通常十分である。]
[0032] 化合物は、以下に記載される試験に従って、検討した。]
[0033] 細胞内Ca2+動員アッセイ
安定にヒトオレキシン−1(hOX1)又はヒトオレキシン−2(hOX2)受容体を発現する、チャイニーズハムスター卵巣(dHFr−)変異細胞株を、GlutaMaxTM1、4500mg/L D−グルコース及びピルビン酸ナトリウム(カタログNo. 31966-021, Invitrogen, Carlsbad, CA)、5%透析ウシ胎仔血清(カタログNo. 26400-044)、100μg/mlペニシリン及び100μg/mlストレプトマイシンを含む、ダルベッコ変法イーグル培地中に維持した。細胞を、ポリ−D−リジン処理された、96ウェル、黒/透明な底を有するプレート(カタログNo. BD356640, BD Biosciences, Palo Alto, CA)中に、5x104細胞/ウェルで播種した。24時間後、細胞に、37℃で1時間、FLIPR緩衝液(1xHBSS, 20mMHEPES, 2.5mMプロベネシド)中の4μM Flou−4アセトキシメチルエステル(カタログNo. F-14202, Molecular Probes, Eugene, OR)を添加した。ハンクス平衡塩溶液(HBSS)(10X)(カタログNo. 14065-049)、及びHEPES(1M)(カタログNo. 15630-056)は、Invitrogen, Carlsbad, CAより購入した。プロベネシド(250mM)(カタログNo. P8761)は、Sigma, Buchs, Switzerlandより購入した。細胞を、FLIPR緩衝液で5回洗浄して、過剰の色素及び細胞内カルシウム動員を除去し、以前に記載された通りに(Malherbe et al., Mol. Pharmacol., 64, 823-832, 2003)、[Ca2+]Iを蛍光定量的イメージングプレートリーダー(FLIPR-96, Molecular Devices, Menlo Park, CA)を用いて測定した。オレキシンA(カタログNo. 1455, Toris Cookson Ltd, Bristol, UK)を、アゴニストとして用いた。オレキシンA(DMSO中の50mM原液)を、FLIPR緩衝液+0.1%BSAで希釈した。オレキシンAのEC50及びEC80値を、CHO(dHFr−)−OX1R及び−OX2R細胞株中における標準アゴニスト濃度−用量曲線から、毎日測定した。全ての化合物を、100%DMSO中に溶解させた。阻害曲線を、阻害化合物の11濃度(0.0001−10μM)、及びアゴニストとしてのオレキシンAのEC80値(最大アゴニスト反応の80%を与える濃度、毎日測定した)を用いて、測定した。アンタゴニストを、アゴニストの適用の25分前(37℃で培養)に添加した。反応を、(蛍光マイナス基底)におけるピークの増加として測定し、オレキシン−A又はオレキシン−BのEC80値により誘導される最大刺激効果に標準化された。阻害曲線を、Excel-fit 4 software(Microsoft)を用いて、ヒルの式:y=100/(1+(x/IC50)nH)[式中、nH=傾斜因子である]に従って、当てはめた。Kb値を、以下の式Kb=IC50/(1+[A]/EC50)[式中、Aは、アゴニストEC80値に非常に近いアゴニスト添加濃度である]に従って計算し、そしてIC50及びEC50値は、各々、アンタゴニスト阻害及びオレキシン−A又はBアゴニスト曲線に由来する。]
[0034] 化合物は、以下の表に示すように、ヒトオレキシン受容体について、Kb値(μM)<0.1を示す。]
[0035] ]
[0036] 式Iの化合物及び式Iの化合物の薬学的に許容される塩は、医薬として、例えば、医薬製剤の形態で使用することができる。医薬製剤は、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の剤形で、経口投与することができる。しかし投与はまた、例えば坐剤の剤形で直腸内に、又は例えば注射液の剤形で非経口的に行うこともできる。]
[0037] 式Iの化合物は、医薬製剤を製造するため、薬学的に不活性な無機又は有機担体と共に加工することができる。乳糖、トウモロコシデンプン又はそれらの誘導体、タルク、ステアリン酸又はそれらの塩等が、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠及び硬ゼラチンカプセル剤のためのそのような担体として使用することができる。軟ゼラチンカプセル剤のための適切な担体は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体及び液体ポリオール類等である。しかし、活性物質の性質に応じて、軟ゼラチンカプセル剤の場合は、通常担体を必要としない。液剤及びシロップ剤の製造に適切な担体は、例えば、水、ポリオール類、グリセリン、植物油等である。坐剤に適切な担体は、例えば、天然又は硬化油、ロウ、脂肪、半液体又は液体のポリオール等である。]
[0038] 医薬製剤は、更に、保存剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色料、着香剤、浸透圧を変化させる塩、緩衝剤、マスキング剤又は酸化防止剤を含有することができる。それらは、その他の治療上有用な物質も更に含有することができる。]
[0039] 式Iの化合物又は薬学的に許容されるその塩及び治療上不活性な担体を含有する医薬もまた、式Iの化合物及び/又は薬学的に許容される酸付加塩の1つ以上と、所望により、他の治療上有用な物質の1つ以上とを、治療上不活性な担体の1つ以上と共に製剤化することを含むそれらの製造方法と同様に、本発明の目的である。]
[0040] 本発明による最も好ましい適応症は、睡眠時無呼吸症、ナルコレプシー、不眠症、睡眠時異常行動、時差ぼけ症候群、概日リズム障害、下肢静止不能症候群を含む睡眠障害、不安、鬱病、躁鬱病、強迫性障害、感情神経症、抑鬱神経症、不安神経症、気分障害、譫妄、パニック発作障害、外傷後ストレス障害、性機能不全、統合失調症、精神病、認知障害、アルツハイマー病及びパーキンソン病、認知症、精神遅滞、ハンチントン病及びトゥレット症候群などのジスキネジア、中毒、薬物乱用に関連する渇望、発作性障害、癲癇を含む精神、神経性及び神経変性障害、肥満、糖尿病などの代謝疾患、食欲減退及び過食症を含む摂食障害、喘息、片頭痛、疼痛、頭痛、神経因性疼痛、精神、神経性及び神経変性障害に関連する睡眠障害、神経因性疼痛、痛覚過敏症、灼熱痛、及び異痛症などの疼痛に対する亢進した又は過剰な感受性、急性疼痛、熱傷痛、背痛、複合性局所疼痛症候群I及びII、関節痛、脳卒中後疼痛、術後疼痛、神経痛、HIV感染に関連する疼痛、化学療法後疼痛、過敏性腸症候群、抗精神病薬によって誘発される錐体外路症状ならびに全身オレキシン系機能不全に関連する他の疾患を含むものである。]
[0041] 用量は、広い範囲内で変えることができ、当然それぞれの特定の症例における個別の要求に適合させなければならない。経口投与の場合、成人用の用量は、一般式Iの化合物1日当たり約0.01mg〜約1000mg、又は薬学的に許容されるその塩の対応する量で変えることができる。1日量を、1回量として又は分割量として投与してよく、加えて、必要性が示される場合、上限を超えることもできる。]
[0042] 錠剤の処方(湿式顆粒化)
品目成分 mg/錠剤
5mg 25mg 100mg 500mg
1.式Iの化合物5 25 100 500
2.無水乳糖DTG 125 105 30 150
3.Sta-Rx 1500 6 6 6 30
4.微晶質セルロース30 30 30 150
5.ステアリン酸マグネシウム1 1 1 1
合計 167 167 167 831]
[0043] 製造手順
1.品目1、2、3及び4を混合し、精製水と共に造粒する。
2.顆粒を50℃で乾燥させる。
3.顆粒を適切な微粉砕装置に通す。
4.品目5を加え、3分間混合し、適切な成形機で圧縮する。]
[0044] カプセルの処方
品目成分 mg/カプセル
5mg 25mg 100mg 500mg
1.式Iの化合物5 25 100 500
2.含水乳糖159 123 148 ---
3.トウモロコシデンプン25 35 40 70
4.タルク10 15 10 25
5.ステアリン酸マグネシウム1 2 2 5
合計 200 200 300 600]
[0045] 製造手順
1.品目1、2及び3を適切なミキサーで30分間混合する。
2.品目4及び5を加え、3分間混合する。
3.適切なカプセルに充填する。]
[0046] 実験部分:
実施例1(方法A)
[1−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−3−イル]−(2−フェニル−ピペリジン−1−イル)−メタノン]
[0047] ]
[0048] 工程1:
3−(2−フェニル−ピペリジン−1−カルボニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル]
[0049] ]
[0050] DMF:DCM(3:1)15mL中の1−(tert−ブトキシカルボニル)−3−ピペリジンカルボン酸(市販)(8.72mmol)2gの溶液に、2−フェニルピペリジン(市販)(8.72mmol)1.39g及びDIPEA(17.4mmol)3.04mLを加えた。混合物を室温で10分間撹拌した。EDCI(13.1mmol)2.5g及びHOBT(13.1mmol)2.04gを加えた。混合物を室温で6時間撹拌し、ブライン(50mL)で希釈し、酢酸エチル(2x40mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて粗生成物を得て、これをヘキサン中の30〜35%酢酸エチルで溶離するシリカのカラムクロマトグラフィーによりさらに精製して、標記化合物1g(31%)を得た。(MH+)372.18。]
[0051] 工程2:
(2−フェニル−ピペリジン−1−イル)−ピペリジン−3−イル−メタノン]
[0052] ]
[0053] DCM(15mL)中の3−(2−フェニル−ピペリジン−1−カルボニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル1gの溶液に、DCM(6mL)中の40%トリフルオロ酢酸を加えた。混合物を室温で4〜5時間撹拌した。反応完了後、揮発物をすべて蒸発させ、水(20mL)を加え、混合物をジエチルエーテル(2x25mL)で抽出した。水層を、10%NaOH水溶液でpH=12に調整し、酢酸エチル(2x25mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、標記化合物0.731g(95%)を得た。(MH+)273.36。]
[0054] 工程3:
DCM中(5mL)の(2−フェニル−ピペリジン−1−イル)−ピペリジン−3−イル)メタノン(0.33mmol)0.09g及びDIPEA0.2mLの溶液に、3−メトキシベンゼンスルホニルクロリド(0.39mmol)0.082gを室温で滴下した。混合物を室温で6時間撹拌した。反応完了後、水(2x15mL)を加えた。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて粗生成物を得て、これをヘキサン中の10〜15%酢酸エチルで溶離するシリカのカラムクロマトグラフィーによりさらに精製して、標記化合物0.018g(13%)を得た。(MH+)443.35。]
[0055] 実施例2(方法B)
[1−(2−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−3−イル]−(2−m−トリル−ピロリジン−1−イル)−メタノン]
[0056] ]
[0057] 工程1:
1−(2−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−3−カルボン酸エチルエステル]
[0058] ]
[0059] DCM40mL中のピペリジン−3−カルボン酸エチルエステル塩酸塩(市販)(20mmol)3.87gの溶液に、DIPEA(60mmol)10mLを加えた。2−クロロ−ベンゼンスルホニルクロリド(20mmol)2.72mLを室温で滴下して、14時間撹拌した。混合物をDCM30mLで希釈し、水(3x50mL)で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて粗生成物を得て、これをヘキサン中の10%酢酸エチルで溶離するシリカのカラムクロマトグラフィーによりさらに精製して、標記化合物5.73g(86.3%)を得た。(MH+)332.16。]
[0060] 工程2:
1−(2−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−3−カルボン酸リチウム]
[0061] ]
[0062] THF:メタノール:水(2:1:1)30mL中の1−(2−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−3−カルボン酸エチルエステル(17mmol)5.7gの溶液に、LiOH.H2O(25.7mmol)1.08gを加えた。混合物を室温で5〜6時間撹拌し、揮発物をすべて蒸発乾固させた。化合物を更に精製することなく続く工程で使用した。]
[0063] 工程3:
[1−(2−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−3−イル]−(2−m−トリル−ピロリジン−1−イル)−メタノン
DMF:DCM(3:1)中の1−(2−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−3−カルボン酸リチウム(0.32mmol)0.1gの溶液に、2−(3−メチルフェニル)−ピロリジン(0.29mmol)0.047g及びDIPEA(1.6mmol)0.27mLを加えた。混合物を室温で10分間撹拌し、HATU(0.38mmol)0.147gを加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、ブライン15mLで希釈し、酢酸エチル(3x10mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発乾固させて粗生成物を得て、これをヘキサン中の15%酢酸エチルで溶離するシリカのカラムクロマトグラフィーによりさらに精製して、標記化合物0.03g(20.8%)を得た。(MH+)447.07。]
[0064] 実施例1及び2で記載した手順と同様にして、さらに実施例3〜19のピペリジンスルホンアミド誘導体を表1に示した方法及び出発物質から調製した。]
[0065] ]
权利要求:

請求項1
a)式I:[式中、Ar1及びAr2は、各々独立に、非置換若しくは置換アリール又はヘテロアリールであり;R1及びR2は、各々独立に、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、ハロゲンにより置換されている低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲンにより置換されている低級アルコキシ、又はシアノであり;mは、0、1、2、又は3であり;nは、1又は2である]の化合物、又はその薬学的に適切な酸付加塩。
請求項2
nが、1である、請求項1に記載の式Iの化合物。
請求項3
化合物が、[1−(2−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−3−イル]−[2−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−メタノン、[1−(2−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−3−イル]−(2−フェニル−ピロリジン−1−イル)−メタノン、[1−(3−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−3−イル]−(2−フェニル−ピロリジン−1−イル)−メタノン、[1−(2−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−3−イル]−(2−フェニル−ピロリジン−1−イル)−メタノン、[1−(5−クロロ−2−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−3−イル]−(2−フェニル−ピロリジン−1−イル)−メタノン、又は[1−(2−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−3−イル]−[2−(2−クロロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−メタノンである、請求項2に記載の式Iの化合物。
請求項4
nが、2である、請求項1に記載の式Iの化合物。
請求項5
化合物が、[1−(2−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−3−イル]−(2−フェニル−ピペリジン−1−イル)−メタノン、又は[1−(5−クロロ−2−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−3−イル]−(2−フェニル−ピペリジン−1−イル)−メタノンである、請求項4に記載の式Iの化合物。
請求項6
式Iの化合物の製造方法であって、以下の工程:a)式III:の化合物を、対応する式VIIの塩化スルホニル:と反応させて、式I:[式中、Ar1、Ar2、R1、R2、m、及びnは、請求項1に記載した通りである]の化合物を得るか、又はb)式V:の化合物を、対応する式VI:の化合物と反応させて、式I:[式中、Ar1、Ar2、R1、R2、m、及びnは、請求項1に記載した通りである]の化合物を得、そして、所望であれば、得られた化合物を薬学的に許容される酸付加塩に変換する工程を含む製造方法。
請求項7
請求項6に記載の方法、又は同等の方法によって製造される、請求項1に記載の式Iの化合物。
請求項8
1つ以上の式Iの化合物及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬。
請求項9
睡眠時無呼吸症、ナルコレプシー、不眠症、睡眠時異常行動、時差ぼけ症候群、概日リズム障害、下肢静止不能症候群を含む睡眠障害、不安、鬱病、躁鬱病、強迫性障害、感情神経症、抑鬱神経症、不安神経症、気分障害、譫妄、パニック発作障害、外傷後ストレス障害、性機能不全、統合失調症、精神病、認知障害、アルツハイマー病及びパーキンソン病、認知症、精神遅滞、ハンチントン病及びトゥレット症候群などのジスキネジア、中毒、薬物乱用に関連する渇望、発作性障害、癲癇を含む精神、神経性及び神経変性障害、肥満、糖尿病などの代謝疾患、食欲減退及び過食症を含む摂食障害、喘息、片頭痛、頭痛、疼痛、神経因性疼痛、精神、神経性及び神経変性障害に関連する睡眠障害、神経因性疼痛、痛覚過敏症、灼熱痛、及び異痛症などの疼痛に対する亢進した又は過剰な感受性、急性疼痛、熱傷痛、背痛、複合性局所疼痛症候群I及びII、関節痛、脳卒中後疼痛、術後疼痛、神経痛、HIV感染に関連する疼痛、化学療法後疼痛、過敏性腸症候群、又は抗精神病薬によって誘発される錐体外路症状の処置のための、請求項8に記載の医薬。
請求項10
睡眠時無呼吸症、ナルコレプシー、不眠症、睡眠時異常行動、時差ぼけ症候群、及び神経精神障害に関連する睡眠障害である、睡眠障害の処置のための、請求項9に記載の医薬。
請求項11
睡眠時無呼吸症、ナルコレプシー、不眠症、睡眠時異常行動、時差ぼけ症候群、概日リズム障害、下肢静止不能症候群を含む睡眠障害、不安、鬱病、躁鬱病、強迫性障害、感情神経症、抑鬱神経症、不安神経症、気分障害、譫妄、パニック発作障害、外傷後ストレス障害、性機能不全、統合失調症、精神病、認知障害、アルツハイマー病及びパーキンソン病、認知症、精神遅滞、ハンチントン病及びトゥレット症候群などのジスキネジア、中毒、薬物乱用に関連する渇望、発作性障害、癲癇を含む精神、神経性及び神経変性障害、肥満、糖尿病などの代謝疾患、食欲減退及び過食症を含む摂食障害、喘息、片頭痛、頭痛、疼痛、神経因性疼痛、精神、神経性及び神経変性障害に関連する睡眠障害、神経因性疼痛、痛覚過敏症、灼熱痛、及び異痛症などの疼痛に対する亢進した又は過剰な感受性、急性疼痛、熱傷痛、背痛、複合性局所疼痛症候群I及びII、関節痛、脳卒中後疼痛、術後疼痛、神経痛、HIV感染に関連する疼痛、化学療法後疼痛、過敏性腸症候群、又は抗精神病薬によって誘発される錐体外路症状の処置のための医薬を製造するための、請求項1に記載の式Iの化合物の使用。
請求項12
睡眠障害が、睡眠時無呼吸症、ナルコレプシー、不眠症、睡眠時異常行動、時差ぼけ症候群、概日リズム障害、又は神経性障害に関連する睡眠障害である、請求項11に記載の式Iの化合物の使用。
請求項13
前記に記載した発明。
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